それでも違うと言うことを

「全会一致するものは無効とする」と言う格言はユダヤ人のことわざであるとか、そうでない俗説である、という話もあり、さてどうなんでしょうか、と思う中、それでも違和感を感じた事について、異議の旗を振り続けることにAnalysisをするモノとしての矜持がある気がするのです。

  

日米ともにEquity Marketにおける株価の回復は凄まじいものがありますね。本日も日経平均は上げて終わりましたか。凄まじいですね。22,695円、この水準って、去年の4Q辺りの水準で、「来年はいよいよ五輪ですね」という期待感が膨らんでいた頃ですか。その水準まで最早あっという間に回復してしまいました。

 

あの当時、インバウンドは好調、経済も楽観的で消費増税の影響も各種施策のテコ入れで何とか乗り切れる、という意見が大半でしたね。失業率も非常に低く、寧ろ人手不足をどうするか?と言う意見が論じられており、就職氷河期世代の救済をどうするか、と言う議論も華やかでしたね。

 

さて、足許、株価は回復基調です。しかしインバウンド観光は壊滅、製造業も一時帰宅などで、メーカーによっては苦戦を強いられ、工場の労働者も会社によっては7割の賃金と。HISはボーナス無し、ホテル従業員も雇ったは良いが、Projectも頓挫し、従業員ごと物件を引き取って欲しい、と言う話も耳にします。

 

上述の通り、足許の実体経済の悪材料と比較した場合、金融マーケット、特に株式市場の堅調さと言うのは驚くべきものがあり、これは釈迦に説法ではありますが、結局、「中央銀行の緩和マネー」と「政府の財政出動(一部は未だ今後実行されるもの)」でで支えられているものです。今後、バブルになって更に株価は上がる、乗り遅れるな、踊れ踊れ、という話が多くなってきた気がします。

 

でもそれは本当に正しいのか、現状はどうなのか。

 

当方の関わる、「カネ」の権化とも言える、不動産のマーケットに関して言えば、必ずしも楽観視は出来ない、一方で、破滅的な局面を迎えるか、と言うと現時点ではそう言えるような兆候は無く、実に複雑怪奇、な状態です。

 

しかし、これを細かく丁寧に分析すれば、単純に踊り続けることがいかに危険で他人のお金を運用する者にとって注意すべきことか、或いは、あまりに恐れすぎて、全てを拒絶するのもまたナンセンスであるか、と言う事が判るような気がします。

 

 

1.不動産及び関連する事項で、以前からの話、Covid19以降の話

 

先日の本Blogエントリーで「不動産マーケット、特に大阪・京都のホテルマーケットでの変調は実はCovid前から存在したものである」と言う趣旨の話を記しました。不動産マーケット全体でも、Covid前からあったトレンドと、これにCovid19が触媒としての役割を果たしたことで、新たに追加された事項があります。

 

Covid19前からあったトレンドとしては、以下の通り。

 

(ホテル)

・一部エリア(大阪、京都等)の一部観光エリアにおけるホテル過剰感

・ホテルオペレーターの身の丈を超えた投資

 

(オフィス)

・オフィスマーケットにおける渋谷エリアの過熱感

働き方改革とオフィスの在り処。つまりシェアオフィスの進行、都心でグレードの高い物件への集約移転(一方で、総賃借面積は減少)

 

(物流)

・物流施設での賃料上昇、空室率の低下

・物流アセットの取引額上昇(プライム立地以外でのCap Rate 3%台)

・E-Commerceの進展による需要拡大

 

(リテール)

・モールの変調

・一部アパレルテナントの不調

・E-Commerceの進展による消費形態の変動

 

 

一方で、Covid19以降の追加事項は以下の通り

・ホテルを中心とした旅行、インバウンド産業の壊滅

 ・商業におけるインバウンドの壊滅

・スタートアップ系のオフィス賃貸意欲の激減

・オフィスの使われ方、Social Distanceによる面積を増やすと言う考えの進展、一方で在宅ワークの強固な推進による賃貸面積を減らすと言う相反するベクトル

 

各要素は夫々ProsConsですので、どちらが適切である、とは言い難いですが、恐らくCovid19前からの歪さに今回のCovid19がカタリストとなって増幅していることが少なくないと考えます。

 

それに新たに出てきた問題。これを踏まえると、足許の「織り込んだ」と称される株価の上昇は正直全くの疑問しか持てない訳です。勿論大暴落、と言ったこともやや、過激であると思う一方、この「上げ」への何とも言えない胡散臭さを感じる次第です。

 

 

2.オフィスマーケットでの動き(変調)

 

ホテル、リテールアセットにおける「変調」は、既に他の方がBlogやnote、有識者・アナリストがレポートを記載しているので、如何に悲劇的か、はここでは割愛する。

 

一方で、今後影響が出てくるであろう、と言われる「オフィス」マーケットに関して言えば、既に気になる動きはあります。これは色々な方からのヒアリング、自分の手元案件といったものからの情報ですが、例えば、以下の通り。

 

・5月以降、特にスタートアップ系のテナントから解約予告が多かった。具体的には、従業員30名程度の会社で、賃貸床面積としては100~300坪程度。

・公表されている空室率よりも、肌感覚では悪いと思う。然しながら、一般的に解約は「6か月前通知」と言った建付けが多数なので、実際は未だ空室では無いため、実感が出ないだけで、実態は深刻。

・小規模スタートアップは、完全リモートワークの導入、を掲げているが、実態は業績やお金の面が厳しいからではないか。背伸びして入居したテナントが、(部分)解約している、という感じである。

・ある部署の分室的な位置づけで賃借しているオフィス、または「飛び地」的に借りているオフィスの飛び地部分(※)の解約も目立つ。

(※)あるオフィス内で賃借しているフロアが仮に3フロアあり、それが10,11,19階で、19階は一部の部分、といった「飛び地」

・リーシングで強力な力を有する住友不動産ですら、今期は厳しい、との声が上がる。

・渋谷、恵比寿エリアでは解約申し出が目立ち、渋谷では特に多い。具体的には渋谷駅から徒歩10分、解約予告100坪以上ある物件は60棟あった。これは、「ある1棟で2フロア解約予告があっても1棟とカウントされる」ため、実際の解約床は更に多くなることが予想される。

・渋谷のオフィス賃料は一時5万円/坪の募集だったが、足許では物件次第乍、3万円乃至それを切る水準も存在する。今回のマーケットの変動で一番賃料の調整が激しいのではないか。

・(渋谷に限らず)大型物件でも、新規竣工後入居で予約契約締結済テナントについても、一部解約の上、床を返す、という申し出もある。

・オフィスタイプとして、中規模ビルで「PMO」のコンセプト的な築浅プレミアム・ミッドオフィス、或いはサンフロンティアが手掛けていたようなリノベーション・セットアップオフィスが苦戦していた(賃料が高いため)。但し、この苦戦はCovid前からである。

・渋谷の他、西側にオフィスを構える新興系大手はオフィス解約をしていない。但し、一般的にこれら企業が入居するオフィスは「定借契約」なので、中途解約を勘案すれば、そのデメリットから「今はない」が、今後契約期限が近付いた際、それを更新しない、という形で空室が顕在化していく可能性がある。

・渋谷において、解約の勢いが強いが、足許話題になった「五反田バレー」の五反田は、渋谷流出したオフィステナントが多いが、未だ解約の流れは本格化していない。また、賃料も下げてはいない。

・ただし、こうしたエリアのテナントは渋谷を諦めて辿り着いた人たち。従って、渋谷で空きが出た場合、そちらに流れる可能性もあり、そうした場合、賃料の上昇は期待薄であるし、二次空室の発生懸念も内包する。

・大企業はオフィス移転を本格化させていなかった。これは、それまで空室が極端に少なかったため、めぼしい物件が無く、止むを得ずの選択だったが、今後業績の悪化、空室が出始めた事によってより積極的にオフィスの移転を検討することなろう。その結果、賃料相場の下落は想像される。

・空室の発生が、上記の業績の悪化を含めて、移転を誘発することになるだろう。但し、Social Distanceの維持と言った社会的要請もあり、グロスを増やさない変わりに賃料単価の低い物件へと移転するインセンティブが生まれるかもしれない。

実体経済が痛んでいるなかで、オフィスの賃料が下がらないとは言い難く、インバウンド関連の観光、飲食から、そうした会社向けのコンサル、システム、広告関連、ITといった先も遅延して影響を受けて、オフィス賃料にNegativeに影響する、少なくとも賃料引き上げは相当ハードルがあがるだろう。

 

 

3.コスト抑制と景気

 

不動産コスト、特にオフィスの賃料は硬直性があるので、これを抑える前に人件費(ボーナス、残業代、昇給の抑制)、経費の削減を先行するでしょう。その上で家賃の削減ですが、こう考えると、国がばらまくお金は限定的で、足りない分がやはり出てきます。その中で、民間が「お金が使える」状態で無いと、結局限定的な効果に留まるでしょう。それでも当然無いよりはましなのですが。

 

例えば、観光業においては、Hotererの記事を見ると、夏の国内旅行客がGo to Travelキャンペーンで増えてくれるまでは何とか生き延びることを念頭に置く、というヒアリングの先のコメントがある旨、記載しています。然しながら、例えば「Covidの再発による自粛令再び」とか、「今後の経済環境の悪化を踏まえ、個々人は手元資金を厚めにする」という事を踏まえると、今まで耐えていた観光業に追い打ちをかける可能性があります。

 

リテールも同様です。レナウンの破綻等、アパレルは在宅ワークの進展や、消費マインドの縮小で特に外出用の服が売れていません。カジュアル化はCovidの前からのトレンドですが、今回のでアパレル各社の一層不透明さか強まったと言えます。小売り・飲食も言うまでも無く、メーカーでも同様でしょう。良いのは一部のリモート絡み程度か。

 

さて、株価はこのまま堅調に行くのでしょうか。私はそうでないと思います。逆に短期間で急激に回復したことは後々副作用が激しいと感じています。株価は明日も上がり、「やい、お前の予想外してるだろ」という突っ込みが入ることを想定しつつも、それでも私は違う事を主張したい。

Covid19は触媒でしかない。というか、WithコロナとかAfterコロナってどうなのよ?って思っています

あまのじゃくなので、With コロナの時代、とかAfter コロナの時代はかつてのルールや仕組みがガラッと変わる、って言われると、ハァ?頭の中でお祭りでもありましたか?と思ってしまうタイプです。

 

この手の、この出来事で全てが変わる!って人って、これからの時代は個の時代だ!とか、AIの時代!とか、グローバル社会が!って連呼していたと思うんですよね。で、そうした人って多分なんちゃらサロンとかに課金してそうな感じしてて、楽しそうな連中だなあ、って思っています。

なんだろ、この一発で全て変わる、ってメインレースで負けて、最後の泣きの10Rで全部取り戻してやる、みたいな日曜午後のダメなお父さんっぽくないですか?。乱暴すぎない?って考えています。

 

Covid19の影響は小さい、などというつもりはありません。実際、航空会社や小売りが多数破綻していますからね。株価も一時ものすごい下がりましたし、不動産のDealでもSuspendしたものが多数あったと思います。ホテルも無茶苦茶になっているし。

 

でも、これはCovid19によって引き起こされたこと、というよりも従来の歪が顕在化した、即ち、CovidはCatalystであって、根源ではないはずなのです。

 

例えば、小生は不動産の世界の人間なので不動産に関して言うと、ホテルはすでに19年末には大阪・京都では飽和状態で、未だホテル作るの?マジで。という感じで19年の年央には当該エリアのホテルは「よっぽど安くないと、オペレーターがしっかりした先でないとアクイジションは考えない」といった人は少なくない数がいたものでした。

 

また、Retail、商業アセットについても、例えば米国では百貨店が複数あるメガモール的なものはAmazon Effectにやられていて、Neiman Marcusもそろそろ限界、と言われていました。

 

アクイジションにおいても、既にCovidの前からレジ・物流施設への取得意欲が高まる一方、オフィスや商業、そしてホテルへの投資意欲は落ちていたのです。従って、Covid19はそれを後押しした、と言えて、Covid19があったからHotel&Retailがダメになったという訳ではありません。

 

オフィスにしたってそうです。以前から働き方改革の名のもと、一部、と言っても大手が中心ですが、特に共働きで子育て社員を中心に在宅ワークの導入が進みつつありました。オフィスについても、一等地の高スペックのオフィスを借りる一方で、床面積自体については、従来よりも少なくして、フリーアドレスの導入、個人のスペース削減でグロスの面積を減らすことで、支払い賃料を抑える、といった動きはちょくちょく見えていました。

 

一方で、Googleの元CEOであるEric Schmidtが言うように、寧ろCovid19後の方がスペースを広く使う必要性を感じる人が出てきたり、ちょっと前ですが、フルリモートワークだった企業が、効率やコミュニケーションを考えて、オフィス中心の勤務体系に戻した、といった話はそこそこ有名な話です。従って、これでリモートが中心になって、オフィスがオワコンになる、というのはやや表層的というか、言葉を選ばずに言えば、浅学ですね、と言える。

 

一方で、これまで共働き子育て世代の様に、Benefitから在宅ワークも選ぶ、例えば、恒例の親の介護もあり週2回出勤であとは在宅ワークを選ぶ、といった形は十分に出てくるでしょうし、特に女性ではこれの恩恵を受けると思います。それによって、女性の労働参加も進むと考えます。

 

そう考えると、今まで進展が遅かったことがCovid19を経て導入が早く進んだ、という事であって、それ以上、世界が変わる、といった大仰な発想は寧ろ見誤るかもしれない、と考えています。

 

例えば、911の前は、旅客機のコックピットには割合カジュアルに写真撮影ができた、とか手荷物検査でペットボトルのチェックは実際あまりなかった、という話は聞きます。然し今は違いますよね。でもそれを以て大きな、大変影響のあった話ですか?というと、疑問が残ります。

 

当然、グローバル化された社会において、ある特定の地域・国に生産、経済条件が効率的だからそこに集中する、という貌は低減するでしょう。中国の施策を踏まえると明らかにそうです。

 

然しながら、では中国をOmitできますか?と言えば実はそれも現実的ではないでしょう。血の気の多い人は、米中(経済)戦争で日本は米国側について戦うだろう、みたいな話をする人がいますが、それによって得られるのはLose-Loseでしかなく、それを選ぶ意味合いは本当に少ない(しかし、全てが合理で進むのが世の中ではないので、それによって戦火が広がる可能性が無いとも言えないところが恐ろしいのですが)。

 

従って、今までの「効率化」「統合」一辺倒から、リスクを分散させる方向に流れると思いますが、それを以て大きな変化、コロナ前には帰れない、みたいな「煽り」は首を傾げざるを得ません。煽りで語るハーメルンの笛吹きに付いて行くことは危険だと思っています。

 

インバウンドにしても、然りで、インバウンドへ傾斜したことが誤っていた、日本人を重視すべきだ、と意見がありますが、これも僕は疑問を持っています。

 

そもそも何故インバウンドに着目したのでしょうか。自民党政権が或いは安倍首相が強欲だからでしょうか。違うと思います。根本的に本邦は人口減少と高齢化社会にあり、これを若年人口を産めよ増やせよで増やすこと、移民をどんどん入れていくこと、という現実的でない施策を取ることは出来ない、一方で、日本人を中心に据えたら消費量も減るなかで中長期的に先細りしかない。そう考えると、若い人口が多く、所得の増加が著しい、東アジア・東南アジアに近い地の利を生かしたインバウンドの呼び込みは理にかなっているし、日本に利益をもたらす筈です(実際にもたらしていたと思います)。

 

米国や中国の様に、ガンガン金を突っ込む、海外から優秀な人材を刈り取ってきて新しいテクノロジーを作り込む、といった施策は日本にはできません。一方で、メーカーは電機業界がbehindして、自動車業界が没落したら日本も本格的に終わりですね、という話はすでに7年以上も前からされていたことでして、自動車産業だけに頼らない経済構造を作るためにインバウンド観光業はやはり今後も大事な産業であると思います。

 

当然、直ぐに回復することは厳しいと思いますが、アジアはAmericasやEuroと比較すると回復が早いのでやや希望があるか、と思っています。国の旅行しよう政策はバラまきだし良いのか?という話も判らないでは無いのですが、放置しておくとインバウンドが本格復活する前に滅茶苦茶になってしまう可能性もあり、苦渋の政策なのかな、とも思っています。

 

いずれにせよ、インバウンド施策は、感染症対策や災害発生時における対応といった、「セールス」以外の対応が弱かったことが露呈している以上、お金をかけた対策もそちら側にしなければならないでしょうし、それをおざなりにすることは出来ないと思います。

 

もう一つ言えるのは、本邦においてCovid19が懸念する状態ではない、ということをなんらか調査してアピールしないとインバウンドもなかなか戻らないリスクがあります。PCR検査が魔法の杖でもないし、治療ではない訳で、また検知に完全性があるわけではないですからこれを全国民にさせることが果たして意味があるか、という疑問はあるので、対策は限定されないにしろ、何らかのリサーチによる数的把握が一層必要になるのかな、と思っています。

 

どちらにしても、日常が戻ってきつつある中で、第二波の懸念は無い訳で無いのですが、今度は経済的なイシューが中心になる中で、前と一切違ってくるのだ、といった考え方は現実を見誤る気がするので、Covid19前の事象をもう一度丁寧に整理したうえで、落ち着いてStrategyを組む必要があると思います。With CoronaとかAfter Coronaという言葉を多用しない方が良いのかもしれません。

 

CoronaはBeerだけでいいでしょ?

不動産マーケットの足許動向

足許の動向について。ツイッターの連投も流石に見にくいのでまとめました。

 

個人的な足許の感想、関係者ヒアリング、風の聞いた情報等。色々生々しいので伏字、ぼかしています。まあ、話半分でご笑覧ください。

 

 

1.国内マーケット

  • 新規案件の検討は最早ストップしているエクイティ投資家も。ドキュメンテーションに入っていたにもかかわらず、平謝りで謝絶したと。
  • あるデベがREITに下ろそうとしていたホテルがREIT側がPO出来ずにfailしたと。デベ側としては3月の決算の絡みもあるので売り急ぎしているが、どうか、と言う持ち込みがあったが、諸般の事情でお断り。
  • ブリッジSPCでREIT向けに抱えていた物件、POのだんどりが決まって、売却意向を伝え、準備整ったにも関わらず、取りやめ。
  • メガバンクの中でもホテルは既にファイナンス一旦見送っていると言う情報あり。
  • レンダー宛てのヒアリングでは、方針が日々変わっていると。但し、「案件選別してみていく」姿勢が強まっている。
  • 一時見られた地銀レンダーは全く見られない。
  • 某政策金融機関のファイナンス姿勢は引き続き前向きか。恐らく自分の所でいざという時になったらTakeoverも辞さずか。
  • ファンドのエクイティがDealクローズで足りなくなり駆け込み的に相談がくる。
  • 新年度の方針をヒアリングすると、足許のコロナ禍の方向性が見えないと取り組みは厳しいと言うレンダーも。
  • 商業施設についてはテナントから減賃要請はぽろぽろ出てきている。
  • 大阪市内でターミナル駅直結のそこそこ有名なホテルで2月の稼働率が前年の8割後半から2割台へ。
  • 宿泊業では今後最大で4割の売上減、飲食業は2割の売上減となる虞がある。
  • 先ずは残業代の削減、従業員の在宅待機の後、人員削減の流れ。宿泊・飲食で最大100万人の雇用が喪失する。全体の失業率では1.4%の押し上げ影響。
  • 斯業界はパート、アルバイトが多く、雇用調整助成金、失業手当の対象外のケースが多い。この雇用保険未加入者への対策が急務で、これが損なわれると、一層の消費減と景気の落ち込みを誘発するであろう。

 

2.米国マーケット

  • CMBSの新規組成が皆無。マーケットから壊滅した"out of market, completely"
  • Debt Fundからの調達も厳しい。残るはBankかInsurance Company。足許の注目は如何に近々でリファイナンスが無いか、あっても少額か、ということ。
  • 後述するが、特定のクラスのアセットにおいてはレンダーが極めてNagativeにみている。Debtが付かない。その他のアセットでもLoan Spr.はWideningしていると。
  • Dealはストップしている。機関投資家が凍結状態にあること、DDも物理的に出来ないため。
  • ホテル、商業は厳冬。その他、シニアリビング、Student house(大学生向けレジ)、hospitality、Storage(個人向け倉庫)が厳しい。
  • ホテルについては需要が蒸発。商業施設もGroceryやDrug Storeは未だしも、商業モール、高級店、エンタメ(映画等)、ジムはHardest、extremely severeと。また飲食店、美容関連も厳しい。飲食店は営業していてもUber Eatsのようなデリバリー向けで営業時間は短縮。Social Distanceが強くマイナス作用している。
  • 百貨店については相当厳しい。Neiman Marcusの破産申請の検討話も違和感無い。https://toyokeizai.net/articles/-/339384
  • アセットとして安定的なのは「賃貸レジデンス」と「物流施設」であろう。
  • ただ、物流施設でも足許は物流網がマヒしている状態。新規テナントのリーシングは厳しい状態である(とは言え中長期的にeコマース含め有望。今回の一件でその傾向は顕著になるであろう。冷蔵倉庫も有望視していると)。
  • レジデンスについては所謂Luxuary、高級レジとLow-class(低所得者向け)が苦戦するであろう。というのも、ハイエンドであれば、法人借上げがコスト削減やレイオフで解約が進むこと。Low-classについては低所得者が失業し、賃料滞納リスクがあること。両方ともCash Flowに影響が出てくる。
  • オフィスは足許政府の命令が無い限りは開けているが、共用部分はclosedしていて、物件自体にも入館証が無いと入れないようにしてある。
  • 共用部分での清掃・消毒は念入りにするようにPMに指示されている。
  • リモートワークの浸透が強くなっている。これによりデータセンターアセットの需要が高まるのでないか。Amazonクラウドの事業もやっている。eコマースの恩恵もさることながら、こちらの恩恵も受ける可能性がある。

 

以上。恐らく、今週の株価の上げは一瞬となる可能性が高いと感じられたし、「すごく気持ち悪い」とツイッターで表現したのはそのせいです。実際、欧米のコロナ問題は収束の目算が見えたとはとてもいえず、寧ろ問題拡大していることからも。

 

安全運転が引き続き必要でしょう。が、これによって更に消費が消極的になったら問題なんだよな、不味いですね。。。

懸念材料の膨らみ

正直、レジ・ロジ系REITはCash Flowは堅いので、投資口の価格の大幅下落は不自然、ということは前から言ってきましたが、今でも不変です。それは。しかし足許気になります。本日の株価と投資口価格の上昇。

 

「何故、下げた要因が払しょくされていないのに株価、そしてREITの投資口価格が上昇するか」

 

正直これには当方もわからない、と言うのが正直なところです。確かに先週の下げが厳しかったので、それが自律回復している、というのが言えるでしょうけど(売られ過ぎの解消)。

 

しかし、売られ過ぎとなった背景の本質的な要件、Covid19による消費活動の停止、は引き続き不変であり、寧ろ米欧では悪化の一途をたどっています。

 

本日時点で米国ではFedが制限なく買う?という趣旨の声明を出しています。そしてダウの始まりは値を上げて動いています(が、直近で見たら下げに転じてる。。。)。

https://www.cnbc.com/2020/03/23/fed-announces-a-slew-of-new-programs-to-help-markets-including-open-ended-asset-purchases.html

 

 

日本ではこの週末、花見やK1のイベント等がありました。また、色々情報収集すると、各ショップの人も戻っているようです。これは一般的には吉と言うべきなのでしょうが、今回に限って言うと正直未だ何とも言えないというのが個人的な意見です。

 

また会社も朝電車が先週、先々週と比較すると随分と人が多くなっています。一時的な警戒が溶けている、ということもあるでしょうし、これは多分3月末も近付いていると言う事もあると思います。

 

良いように見える、しかし、実際米国における現地の声をツイッターで見る限りにおいて、全く改善の兆しが見えない。また、これに加えてコロナが収まった後、経済のリセッションがどの程度になるか未だ全然「深さ」が見えない。

 

カップリング、と言う言葉が、リーマン前、即ち、ベアスタがダメになって、米国の状況が不穏になってきた際、それは米国の事情で有り、本邦においては影響は限定的であろう、と言う話がでていました。今回もデカップリングですませられるのか、というと正直疑問です。

 

リーマンは、米国発。

 

今回は中国初、と言う事でしたが、この調子だと、中国から欧米に言って、でもメガトン級のさく裂はやっぱり米国だった、ということにならないか、と言う点で非常に危惧しています。

 

はっきり言って、金融政策では限度がある。それは判っているのにもかかわらず、今打ち出せている手立ては金融政策のみでそれ以外の財政政策や多国間の協調は目に見えた方針が出ていない。ン億ドル、ン兆円の追加予算案が、という報道はされど、です。

 

これは、多分にそもそもの問題の根源(コロナ)への対応が未だはっきりと見えていない、というか底なし状態にあるからでしょう。

 

タチが悪いのは前回のリーマン時と比較して米国内における政治的な対立が強すぎるので、共和党民主党ともに妥協の落とし所が見えないところ、そして米中の対立がこの期に及んでも継続している点です。この様子だと、未だ底が見えない。

 

 

・・・と色々考え悩み、一旦私はポジションを全て処分しました。ナンピンした部分はそこそこ利益が出ましたが、その前に買った分については「早すぎ」て結構ロス。トータルで1割強のロス。「株名人」です。。。

 

恐らく未だ下げると個人的には考えています。例えば、リーマン時には、アドレジはその最高値(62万円)から60%オフの24万円迄下落しています。この間、約1年半かけて調整しましたが、今回は短期間でこの調整が起こりうると考えると、前回の当方のブログ予想よりもさらに厳しいボトムが想定されるとすると、17~18万円程度と言うのも十分にありうる、ということになります。勿論この水準まで下がらない場合も十分に考えられますし。

 

ただ、リーマン並、越えという「ある種根拠はあやふやな話」でも皆が保守的にあると自己実現する可能性は消えないので、対応としては以下の通り。

 

①あくまで余剰Cashでの投資(5年以上寝かす心持)

②資金の投入は少しづつで良いか

③基本的にCash Flowが安定しているアセットタイプのREIT或いはコーポレートのEquity

 

ということで。ちょっと先週とトーンが変わってきた感があります。。。

 

 

Memorial Day, 2020.3.19

【エントリーの後、NBFの投資口分割が勘案されていないのでは?というご指摘を賜り、修正しました。大変失礼しました。NBF、強い。。。加筆部分は赤字、訂正個所は打ち消し線を入れています。】

 

REIT愛好家の皆様、息してますか?

 

まあ、信用買いして無くて資産全部或いは結構ブッ込んだとか、イカれた事でもしてないと辛いけど追い込まれてはいないと思われますが。。。

 

さて、今日は本当に歴史的な一日でした。

 

東証リート指数は1,145.53と前日比▲260.16(▲18.51%)。

一か月前の2,250.65から略半減と、REIT ETFを買っていた人からすると憤死しそうな下落幅ですね。

 

Googleより、東証REIT指数

f:id:ntekimania:20200319205102p:plain

前回の頂点(終値ベース)では2,602.82(2007年5月18日)から752.56(2009年3月6日)まで約3割未満までなりましたから、まあ、確かに半値というのは起こりうると言えば、起こりえた話だった。

 

ただ、上述の通り、この1/3迄に約22カ月程度かけて調整していますし、最高値からその半分に至るまでも約8カ月を要しているので如何に激烈であったか、ということを示しています。

 

ご覧の通り、その後東証REIT指数はだらだらと低空飛行を続け、本格的な回復の兆しはアベノミクスのスタートを待たねばなりません。

 

さて、個別銘柄を例にとり見てみましょう。おなじみ日本ビルファンド(NBF)。

NBFはリーマン前、投資口一口当たり最大で100万円まで到達しました。その後、リーマンの崩壊とオフィスマーケットの長期の低迷で30~40万円台をうろうろするのが2009年から2012年まで継続しました。この間4年間。

 

ちなみにNBFの配当は年間で15,169円が最低(2011年6月期及び同年12月期)で仮に100万円で取得していたら1.5%の利回りでした。また2011年に大体40万円程度でうろうろしていたので、大体3.8%となります。また、2007年の最高値辺りで買った場合、そしてそれをずっとホールドしていた場合、その期間の配当は314,614228,394円となるようです(すみません、目で見てやってるので転記ミス、若しくは計算ミスがあるかもしれませんが)。

 

さて、この場合、終値で555,000円ですが、実はNBFは2014年冒頭に株式分割を行っているので(1株⇒2株)、実質は1,110,000円となり、プラスこれまでの収益を全て足しこんだ場合としても、「取得簿価」である100万円を優に上回る水準です。には届かず、足しても約78万円程度、Cash on Cashでは22万円負けていることになります。まあ、それでも後10年持ち続ければイーブンなのかな。。。長い。。。

 

そう考えると、NBFの強さが理解できると思います。老舗強い。流石始まりの双頭のドラゴン。高値で買ったとしても長期で持てば凌げるわけです。

つまり、やっぱりどこかで売却するにしてもCapital Gainを狙わないと厳しい、と言う事が判ると思います。もし仮に2007年の高値で仕込んだ場合で且つHoldし続けた場合、漸くついこの間の高値圏でCash On Cashでイコールと言う訳だったので、悔しさ倍増ですね。。。やっぱり仕込む時間違うと取り戻せない。。。

 

 

次に、一般的には安定的とみられるレジ系のリートでは老舗の日本アコモデーションファンドを見てみましょう。

 

リーマン前、投資口の価格は最大で103万円程度(2007年6月)。そしてリーマン後の2009年2月か3月辺りで大体37~38万円まで低下します(Yahooファイナンス)。

 

即ち、行った時には4割弱まで下がった訳です。徐々に値をもどしつつ、アベノミクス開始時点で最大値の6割まで戻し、2014年の終わりから2015年にかけて略9割の水準まで戻しています(2014年に株式分割をおこなっています)。

 

また、この暴落前の直近では一株70万円を超えていた訳です。

 

これは、分割を勘案すると2株140万円=1株103万円(リーマン前の高値)を超える訳で、かつこの間、分割後も売らずにHoldし続けると、配当は約36万円(2008年8月期配当から直近までカウント)だった訳で、暴落した本日の水準でも2株(分割前1株)で約88万の終値でも十分に上回っています。

 

おお、自分で書いていて、今わかったけど(遅い)アコモ超優秀じゃん、流石大三井。ここからアコモは更に価格落としても高値で買っても凌げたし、今から買えば、10年持つことを前提にすれば十分におつりがくる。定期入れてるよりは10年必ず寝かす金があれば、アコモってこと?

 

レジ、堅い。。。勿論ずっとホールドするなんて疲れるし、暇だし。しかしまあ、多分物流も同じトラックがでてくるんじゃないかな、と想定。この暴落?のフェーズではやっぱり手堅く行くとレジREITですね。

 

で、助兵衛心を出すなら、ここでJHRをシコタマ仕込んで、次のワッショイでCapital Gain狙いに行く、ということで。

 

と言う事で歴史的な1日でのエントリーでした。震えて眠れ。

ホテルがヤバいヤバいって一つ覚えでうっさいわ!ヴォケ!という方の為のレクイエム

ヤバいですね、てプリコネかよ?って僕そのゲームやったこと無いです。ホテル、ヤバいのは判った、もうそんなことをしたり顔で言っても、ラグビーワールドカップの終盤で、ジャッカル、ジャッカル、言うようなもんだからもう止めておきます。

 

では、ホテル以外のアセットでどれが望ましい、或いは危険?と言う話を少し考えてメモとして記録しておく。完全に備忘録。

 

 

1.レジ

安定してる、そんなことは最早お猿はバナナが好き位の捻りも無い事なので、別のことを考える。

  • 当たり前だが、レジの賃料は下方硬直性がある。従って今のテナントが支払う賃料は現行の定借期限までは中途解約以外変わらないだろう。更新の場合も基本的には横置き。
  • 従って、変わるとしたら中途解約又は期限によるリテナント。この場合、Marketが小さいエリア、超都心の一等地、タワマン(分譲賃貸)の賃料は比較的大きく下落する可能性が高いだろう。
  • 事実、例えば先のファンドバブル崩壊後、日賃住が所有していたプレミア物件ではNOIが2年で40%下落したことや、グロブナーの保有物件で稼働が相当低下した事例からCash Flowがダダ下がりした経緯を踏まえると、今回のリセッションで同じ話が出てきても全くおかしくない。
  • そこまで賃貸需要が強くない、又はあっても賃料のアップサイドが限定的なエリアだが、ここ足許の好景気と物件の築年数が浅い事で周辺比高い賃料が確保出来ていた物件は、都心エリアの賃料が低下したあたりで厳しくなる可能性が高い。その場合、一定の高い水準でPJのCahs Flow Projectionを引いていた場合、キツイ。特にDebt側の要求とEQ側の目標IRRを達成する水準の賃料とは差があるので、ここでAMはまた裂きになる(これはレジに限った事でない)。
  • 恐らく、このMarketで売却するのはどう見ても足許を見られるので、EQを説得に掛る方がベターか。多分今後はこの後ろ向きの作業が増えると思われる。

 

2.シニアリビング

  • アップサイドは無いものの、安定している、ということで好まれているが、殊今回のコロナの件については一度侵入を許せば入居者が一気に昇天の時間になって18時にはバンキシャでライブビューされるリスクがある。
  • 斯かる事態が生じた場合、事態が収まり、再度リーシング(この言葉、不謹慎か?)して稼働を巡航水準にするまでに結構時間を要すると思われる。
  • 従って、足許は職員、入居者の家族のオペレーションというかコントロールが重要だが、前者はDQN、後者は愉快な(ryが居るリスクと悩ましい。SOMPO ケアだったらHD傘下の各社から移籍した精鋭たちが居る筈だ(違う)。
  • あと、これがハーフセンチュリーモアみたいな高額帯でコロコロコロナやったら痛打なので、毎月のPMレポートというかオペレーターからの連絡を毎夜震えて眠れ、という、野口五郎かよ。
  • 従って、売買マーケットだとExit辛い状況が暫し続く可能性がある。まあ、元からとか言った奴、怒らないからでてきなさい。

 

3.学マン

  • 響がエロい。学マン。違う。北米では割とメジャーなアセット、本邦でも、と最近セミナーなどでチラホラですが、これ、きついかも。当面。
  • 天下のハーバードでコロナの一件で学生は寮からGo out、という話がありましたが、足許こうした移動がガチガチに制限が掛って、暫く解除のめどが立たないことや、コロナ流行後の多分にギスギスした感じ(人種差別等)、景気悪くなって、MBAに代表される大学院への進学が少なくなる可能性(というか、大学の授業料高すぎてリターンに割り合わない)から、特定の大学に依存する構造のアセットって結局どうか、と言う話になりかねない。
  • つまり多摩の山奥にある学生向けアパートと同じでそれがちっとばかし小奇麗なくらいだろ?って誰か言った?いや、素晴らしいアセットなんで(銃声

 

4.物流施設とデータセンター

  • 物流施設は引き続きプラスでしょうね。コロナの一件もそうですけど、そもそもネット購入が爆発的に増えている中で、今回のが更に火を付ける可能性が。
  • 一方で、最近は物流施設も人の確保で「駅近至上主義」になりつつある気がしていて、クッソ高い物件でもCapは駅近で雇用が確保できるから良いんです。雇用者の確保のための交通費往復分をプラスすることを考えても周辺比割高な賃料は肯定できます、って絶叫していましたが、これってやっぱりどうですかね。
  • コロナの一件もそうでしたが、人的コストが上がり過ぎる一方、この仕分け作業とか含めて大半が本質的にそこから出る付加価値って限定的(そうは言っても正確にピックアップすることは生命線ですけど)なので、自動化をどんどん進めることを考えると、駅近至上主義も変わってくるのかなあ、と。
  • ちなみにグローバル超大手のEC企業も中は超自動化されてさぞかし未来ずらー、と言う感じ・・・では無く、人がすっごい一杯いて働いている、らしいよ。あんまり言うとNDAで刺されるね、怖いね!
  • データセンターは、個人的に「それは必要だけど、ファンド、REITには向かず、On-bookで事法が抱えて、その企業に投資するのがやり方では?」と思っていた頃も有りました。
  • 然しながら、①データ地産地消的な流れ(国家的なセキュリティの観点とか)、②そもそもデータ利用量が5Gやらなんやらで爆発的に増えている、③そんな中でやっぱりBCPの観点(本邦の場合はやっぱり地震)からもコロナ禍が一巡したあとも、リモートワークや在宅勤務という流れが進むのであれば、一層データ利用量が増える(しかもセキュリティを高くしている関係から更に通信容量を食う)、といった観点からニーズが一層高まるし、これをどうやって整備するか、という話は多分社会的にもしなければならないのでしょう。まあそれがひいては自分自身の為にもなるのでしょうし。
  • とはいえ、結局このデータセンターというアセット、建屋というよりも付属設備やサーバーラックのコスト、要は期中の減価償却費がごつい、ということをなんらか手当てして行かないとならんでしょうか。未だ未だハードルは高いけど、印西や彩都(茨木)の物件の状況をみて検証を再度しないとならないのかな。。。

 

5.海外(アウトバウンド)

  • まあ、暫く欧州は無理ですかね?。色々社会的に不安定度が増している中で、景気も悪化しているし。倫敦高いし。未だ手を出さなくてもそれこそいいよね。。。
  • 米国はゼロ金利復活だから調達コストは安いけど、サンフランシスコで家賃払わないストみたいな僕からすると暗殺したくなる事象がでてきてるのは要は賃料のインフレ以上を見込んだRent Growthが限界にきているので無いかな、と推察。
  • まあ米国のコアファンドとかだと基本長期(10年とか)だから暫し大丈夫だけど、Exit時期が近いと怖い。。。シニア説得して予定Exit期日を延ばすことがベストかな。。。

 

眠い。在宅ワークが全く心休まらない。オフィスってやっぱりインフラ整っている。こうした僕の様な人間が少なくないと、多分コロナ後もオフィスの需要が一気に減少する、と言う事は無いと思いますね。眠い。ねむ。。。

暴落した後に戻るまでどの程度要したか、と言う話(ADRを事例とした検証)

 レジREITなら多分大丈夫!と言っておいて、今日も結構下げてましたね。大丈夫かよ。自分で言っておいて、アレ何で、もう少し検証してみようと思います。

 

やっぱりイナバ百人乗っても大丈夫、でないけど、やっぱりリーマンの時を検証材料として持ってくるのは王道ですかね?

 

 さて、レジREITのうち、リーマン前からあるものの代表格として、アドバンス・レジデンス投資法人ADR)がある訳ですが、このADRは実は日本レジデンシャル投資法人(NRR)との合併を経て、今は「新ADR」な訳ですが、リーマンちょっと前からNRRとの合併前までの投資口価格の推移を確認して、どの時点でどれだけ下落して、回復迄どの程度かかったか、上昇幅は?ということを検証してみたいと思います。

 

さて、先ずはADRの投資口価格の推移を確認しましょう。

 <ADR投資口価格の推移(2008/1/4~2010/2/23)>

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約2年ちょっとと言ったところでしょうか。この間の投資口価格の数値についておさらいすると、以下の通り。

 

当該期間最大値    :450,000円(2008/1/8)

当該期間最小値    :185,000円(2008/10/28)

当該期間平均     :341,870円

リーマン前平均    :370,431円

破綻前平均:368,969円(※ニューシティレジデンス投資法人、NCR破綻は2008/10/9の事象)

 

ここから認識できることは以下の事象でしょうか。

  • 最小値185,000円は最大値の約41%、リーマン前平均の約49%、NCR破綻前平均の約50%の水準。つまり瞬間最大風速で半減した。なお暴落直近迄は350,000円程度で推移していたことを考えると約53%の水準になる。
  • リーマン後も投資口価格の下落はマイルドで、NCR破綻後に目立って下落した。
  • 暴落後、暴落前の水準である350,000円程度まで回復するのに約10カ月を要した。
  • その後また再度下落基調にあった(ギリシア危機、2010年1月~)

 

そう考えるならば、同じ事が仮に起こると、ADRの投資口価格は直近1年で360,000~340,000円の水準で推移していたことから瞬間最大風速で180,000~170,000円となるリスクは無いとは言えないでしょう、ということと、仮にそこまでなったとしても10カ月あれば戻す可能性があるということです。

 

 

さて、これはあくまで投資口の価格だけに着目した場合。

 

実際に重要なのはこれまでのエントリーの通り、Cash Flowの動きこそ一番重要です。そのため、判り易く配当を先ず確認してみましょう。

 

時期 営業収益 当期純利益 配当
    (百万円) (百万円) (円)
1 2006年6月 1,715 762 14,335
2 2006年12月 1,801 759 14,284
3 2007年6月 2,204 1,012 13,323
4 2007年12月 2,276 1,027 13,523
5 2008年6月 2,674 1,070 14,087
6 2008年12月 2,845 1,179 15,515
7 2009年6月 2,863 1,022 13,451
8 2009年12月 2,797 923 12,155
  平均 2,397 969 13,834

 

さて、面白い事が判ります。つまり、

 

投資口の価格が最も下がった2008年10月が属する2008年12月期には15,515円と、上場以来最も高い配当が計上されています。即ち、2008年10月に取得したとして、同月の平均投資口価格は288,600円でしたので、年換算では10%超えるのか?凄い。。。

 

一方、配当が最も少ない水準では12,155円と全盛期の78%でした。仮に2カ月後に開示されたとして2010年2月の投資口価格の平均は325,000円程度。それでも5%は優に超えてくる数字。

 

こうしてみると、投資口価格の変動と実際の配当の変動にはギャップがありますし、暴落したタイミングでの配当は高い割合が多いので、結構おいしい利回りが確保できる可能性があります。

 

ちなみにADRがNRRと合併後の第1期(2011年1月期)は11カ月決算でした。11か月で一口当たりの配当は8,250円でしたが、6カ月に直せば4,500円でしょうか。

 

え?凄い減って居るじゃん?って思いますよね。これ、投資口の分割で旧ADRの1口=新ADR3口分に値するそうなので、3倍すると13,500円となるため、2009年6月期の水準に回復していることになります。

 

その後、第3期(2012年1月期)まで、財務政策もあってか、4,500円の配当を継続後、第4期には4,724円 と、4,500円を上回る水準で配当を安定的に投資家へ提供し続けています。

 

と言う訳で、レジREITは安定的な配当は期待できそうですし、暴落した時には買いに行くスタンスで良いと思いますが、景気回復期にはどうやらそこまで投資口価格の上昇(回復)に対して、配当の増加は限定的の様です。

 

また、利回りと言う観点では、やはりリーマン後の利回りに比べると現時点ではやや低いと判断できます。ただし、日銀の緩和策等を考えると、妥当な水準とも言えるかもしれません。

 

しかし、当然のことながら、この異次元緩和が終わった後、この配当利回りはどうか?という議論はあるかもしれません。寧ろ、今回のコロナショックにおける暴落といった事象よりも超長期的には異次元緩和が続けられなくなった後のDebt調達も含めたコスト上昇、思ったよりも賃料が上げられない問題に直面するかもしれません。この点については、今回の値動き云々とは別に留意しておくべきでしょう。

 

今回も長くなった。。。あと初めてグラフ入れてみたけど超メンド臭い。つかれた。もうこんな時間かよ。。。誰か残業代としてJHRの投資口くださいw