レジREITもう少しそれっぽく分析してみようと思った。ロマンス。

寒い日ですね。つらたん。

 

拙宅では娘と妻がAmazon Primeで映画見てますが、何故か「僕らの七日間戦争」を見てて吹く。若かりし頃の宮沢りえが綺麗で懐かしい、と妻は言っていますが、もうこれ何か時代劇並ですね。1980年代ってこうだったのかなあ、とか。挿入歌がちょいちょい入っているんですけど、場末の酒場に流れてる感じ。レモンサワー流し込みたい。

 

ええ、1970年代のビルを旧耐震だけど新耐震並や!!!イケる!!!ってこの前も絶叫してボツったけどやっぱ1980年代で古さしか映画から感じないからやっぱ1970年代に勝ち目無いのかな。。。つらみ。

 

さて、前日?はレジリートは安くなれば凌げるゆ!って雄叫びのエントリーをかましました。

 

REITバリ下がりですが・・・中略・・・ぼくしんじゃう】

http://ntekimania.hatenablog.com/entry/2020/03/13/235908

 

投資信託先生が「レジは魅力的だが、地方が入っている場合、評価を下げるべきである」という趣旨の話をされていました(と言う理解で宜しいですか?)。つまり、地方の人口はとどのつまり縮小傾向にある訳で、安定的な賃貸レジでも長期コア資産として考えるならば、地方は厳しい、という至極保守本流のご意見で全く違和感ありません。

 

ただ私見としては、

 

①都心は賃料は高い水準が確保可能であり、上昇も期待可能

②但し、景気後退期には賃料の減額や空室の発生でCash Flowとして厳しい局面も迎えるリスクがある

③一方、郊外・地方都市(但し政令指定都市クラス)のレジは実需が堅いエリア

④こうした実需中心のエリアは賃料の上げが限定されるが、賃料のダウンサイドも限られる

 

と言うものです。従って、地方物件もマネジメントが適切に成されていればCash Flowは安定的なので、ダウンサイドの局面を踏まえてポートフォリオに組み込む意義はあるのではないか、と言う考えです。従って、ADR(3269)やCRR(3282)だけでなく、他のリートにも投資妙味の有無を考えても良いのではないか、と考えています。

 

では実際の所、東京都心のレジとそれ以外の動き、一等地のレジの賃料=Cash Flowの動きについて考えてみたいと思います。

 

これから、所謂「アベノミクス」が始まる前である、「13年1月期(12年8月から13年1月の6カ月)」から、直近の決算期「19年7月期(19年2月から19年7月)」との比較をします。

丁度いい塩梅で、ADRもKDRも1月と7月が決算期なので横並びとしては楽ですね。そこで、NOI、つまり、賃貸事業収入から賃貸事業費用を差し引いた純収支を比較してみましょう。

なお、NOIから長期修繕費用(Capex)を加味(控除)したものがNCFですが、NCFについては、オーナーの考えが反映される、つまりCapexをどの程度かけると言う事に拠るので、AMによってはNCFよりもNOIで語ることが多いです。

 

 

1.東京都心一等地の場合

先ずは、プライムエリアの物件の動向について見てみましょう。都心一等地の物件については3つの物件に登場頂きました。

 

①レジディア島津山(ADR=アドバンスレジデンスリート)

②レジディア九段下(ADR

③KDX代官山レジデンス(KDR=ケネディクスレジデンシャルリート)

 

       【13年1月期】    【19年7月期】 

①島津山 :   42百万円  ⇒    55百万円(+14.1%)※

②九段下 :   52百万円  ⇒       63百万円(+21.1%)※

③代官山 :    127百万円  ⇒     135百万円(+  6.3%)

(※ADR保有物件。有価証券報告書上、賃貸事業損益として減価償却費が差し引かれていたので足し戻して検証)

 

おお。。。島津山とか九段下のNOIの上がり方、しゅごい。。。おちんぎん、ギンギンやん、しびれゆ。こんなんエエに決まってるやん。立地も良し、わずか6年でこれですか、買わない理由ない。。。

 

 

2.東京郊外

都心以外だったらどうなんでしょうかね。「郊外とまでは言えないけども一般的な立地、それなりに都心への通勤が便利な立地」の物件を適当に選んでます。

 

A メゾンエクレーレ江古田(ADR

B レジディア木場(ADR

C レジディア調布(ADR

D KDX文京千石レジデンス(KDR)

E  KDX武蔵中原レジデンス(KDR)

 

       【13年1月期】    【19年7月期】 

A 江古田 :   26百万円  ⇒    25百万円(▲3.8%)※

B 木場  :   64百万円  ⇒    68百万円(+6.3%)※

C 調布  :   27百万円  ⇒    29百万円(+7.4%)※

D 文京千石:   39百万円  ⇒    40百万円(+2.6%)

E  武蔵中原:   19百万円  ⇒    19百万円(横ばい)

(※ADR有価証券報告書上、賃貸事業損益として減価償却費が差し引かれていたので足し戻して検証)

 

ふむ。。。都心ほどでないですが堅調ですね。ちょっと(と言っても1百万円程度ですが)下落しているケースもありますがね。。。

 

 

3.地方物件

それでは、地方(と言っても政令指定都市の中心部)の物件ではどうでしょうか。

 

イ レジディア今出川(名古屋)(ADR

ロ レジディア博多(福岡)(ADR

ハ レジディア大通公園(札幌)(ADR

ニ KDX定禅寺通レジデンス(仙台)

 

        【13年1月期】    【19年7月期】

イ 今出川 :   49百万円  ⇒    45百万円(▲8.2%)※

ロ 博多  :   38百万円  ⇒       35百万円(▲7.9%)※

ハ 大通公園:   66百万円  ⇒       65百万円(▲1.5%)※

ニ 定禅寺通:   41百万円  ⇒       38百万円(▲7.3%)

(※ADR有価証券報告書上、賃貸事業損益として減価償却費が差し引かれていたので足し戻して検証)

 

うーん、流石、投資信託先生、その通りですね。年ベースで最大▲1-2%ダウンしていますね。勿論、築年数とか諸々の諸条件に変化があった結果、ということもあるでしょうが、地方については「バラ色の未来」を前提にするのはやや危うい。地方物件は超長期で考えると厳しいのでしょう。

 

 

4.高級物件の怖さ

 

さて、これまで都心一等地、東京郊外、地方物件と見てきましたが、最後に「高級賃貸レジ」について検証してみます。

 

物件名  :チェルシーガーデン広尾

所在   :東京都渋谷区広尾三丁目

竣工   :2000年

アクセス :東京メトロ日比谷線「広尾」駅 徒歩13分

戸数   :6戸

(ご参考)https://ebisu-fudousan.com/rent/569/

 

所謂、「高級レジデンス」です。現状募集されている部屋の広さが200平米越えということから、はっきり言って普通の人が住む賃貸マンションじゃありません。ではどう言った人が住むのか、というと、会社経営者、芸能人、外資系企業の外国人幹部(Expad)といった人たち。個人で借りるということもありますが、主に会社が法人で借りて、会社の福利厚生として提供しているのです。

 

こう言った物件が都内プライムエリアにはいくつかあって、分譲マンションを賃貸に出している事例もありますが、一棟まるまる高級賃貸物件の事例もあります。この手のレジのリーシングはかなり特殊だそうで、KENコーポレーションといった会社が強みを持つと言われていますが、特定の伝手が無いと中々厳しいです。

 

この物件、チェルシーガーデン広尾は、日本賃貸住宅投資法人の前身である、リプラス・レジデンシャル投資法人が所有していました。「プレミアムカテゴリ」に位置付けられていますね。

 

これについては、リーマン前からリーマン後の夫々の時点におけるCash Flow(NOI)の変動をみてみましょう。

 

2008年3月(2007年10月~2008年3月):97百万円

2010年3月(2009年10月~2010年3月):58百万円(▲40.5%)

 

凄いですね。2年でNOI▲40%のダウン。震える。借入を興してフルアモチで物件買っていたら多分期中にCashが回らなくなる奴ですね。

 

この背景には以下の理由があります。

1.リーマン後、外資系企業のExpadなどこうした高級レジの住宅補助を受けれる入居者のパイが激減した

2.只でさえデカいレジなので1戸当たりの面積、賃料のグロスが大きいため、稼働率の悪化が即Cash Flowに甚大な影響を与える

 

結果的に2011年にはこの物件を売却しExitしています。勿論、こうしたレジは景気が良くなると稼働も改善し、賃料も高いものが取れるので非常に高額物件として売買されます。まあ、そもそも立地も非常によろしいので。

 

ただし、これまで見てきたとおり、景気後退期において、Cash Flowの悪化が坂道を転げ落ちるように進行するので、Volatilityが高く、これを組み込みすぎると下手すれば地方の物件なんかよりもずっとNegativeに働く場合があります。従って、「安定的なレジアセット」といってもこの手の物件はホテルなどと同じようなアップサイドを楽しみつつも時にはNegativeな影響に耐える必要があるものなので留意が必要です。

 

 

5.突き詰めればポートフォリオの問題である

 

さて、長々と論じてきましたが、結局のところREITポートフォリオをどう構築するか、と言う原理原則に立ち返る面白味のない話になってしまうのでしょう。

 

例えば、出来れば都内の割と良い地域にAffordableなレジを集めたい所ですが、取得競争が厳しい訳ですし、災害等を考えるとエリア的な分散も必要でしょう。但し、その場合、例えば地方はCBD(Central Business District)でも賃上げ余地は少ない訳で(寧ろ下がるリスクはある)、上手くポートフォリオを構築していかないと行けないでしょう。

 

また、レジの賃料はそうは言っても劇的に上がる要素は少ない訳で、景気改善気にはオフィスやホテルに魅力が映る訳で、恐らくKDRがホテルを組み入れるように仕組んだのも、利回りの改善、アップサイドを目論んだと言う事が挙げられると思います(でもリブマックスはどうかと思うぞ、うん)。

 

然しながら、レジREITに求められることは何か、と言えば、やはり着実な賃料、Cash Flowと投資口配当の確保であると思います。従って、今回のコロナ禍による投資口価格の低下を踏まえて、もう一度ポートフォリオのあり方は再考されるべきと考えます。

 

また、我々投資家レベルでは、安定的なCash Flowを生む実物資産を裏付けとしたREITは多分、事法のエクイティよりは面白くないと思いますが、Cash Flowの安定性を楽しみつつ、Investmentの妙味も味わえる訳ですので、長期で保有するのは良いかと思われます。

 

但し、前回のエントリーの最後に述べました通り、結局は投資口価格、即ち利回りも重要な訳で、4%を切った水準での取得は長期で見れば割高なので、4%乗せてるタイミングで、過度なリスクを取らずに運用することが肝心と考えます。

 

 

 

長くなりました。最後に一言。

 

 

菊池桃子の水着は僕の小学校時代の禁断の果実でした。

母親が親父のプレイボーイ(だった気がする)のグラビア見てた僕を発見、大激怒。

親父含めて纏めて説教されたEnfance Finieを今日「僕らの七日間戦争」の宮沢りえを見て思い出しました。

 

そんな僕も今は紗倉まなFanzaで自由に観覧できるような大人になって、

「大人っていいなあ」って思います。

 

ロマンス。