不動産マーケットの足許動向

足許の動向について。ツイッターの連投も流石に見にくいのでまとめました。

 

個人的な足許の感想、関係者ヒアリング、風の聞いた情報等。色々生々しいので伏字、ぼかしています。まあ、話半分でご笑覧ください。

 

 

1.国内マーケット

  • 新規案件の検討は最早ストップしているエクイティ投資家も。ドキュメンテーションに入っていたにもかかわらず、平謝りで謝絶したと。
  • あるデベがREITに下ろそうとしていたホテルがREIT側がPO出来ずにfailしたと。デベ側としては3月の決算の絡みもあるので売り急ぎしているが、どうか、と言う持ち込みがあったが、諸般の事情でお断り。
  • ブリッジSPCでREIT向けに抱えていた物件、POのだんどりが決まって、売却意向を伝え、準備整ったにも関わらず、取りやめ。
  • メガバンクの中でもホテルは既にファイナンス一旦見送っていると言う情報あり。
  • レンダー宛てのヒアリングでは、方針が日々変わっていると。但し、「案件選別してみていく」姿勢が強まっている。
  • 一時見られた地銀レンダーは全く見られない。
  • 某政策金融機関のファイナンス姿勢は引き続き前向きか。恐らく自分の所でいざという時になったらTakeoverも辞さずか。
  • ファンドのエクイティがDealクローズで足りなくなり駆け込み的に相談がくる。
  • 新年度の方針をヒアリングすると、足許のコロナ禍の方向性が見えないと取り組みは厳しいと言うレンダーも。
  • 商業施設についてはテナントから減賃要請はぽろぽろ出てきている。
  • 大阪市内でターミナル駅直結のそこそこ有名なホテルで2月の稼働率が前年の8割後半から2割台へ。
  • 宿泊業では今後最大で4割の売上減、飲食業は2割の売上減となる虞がある。
  • 先ずは残業代の削減、従業員の在宅待機の後、人員削減の流れ。宿泊・飲食で最大100万人の雇用が喪失する。全体の失業率では1.4%の押し上げ影響。
  • 斯業界はパート、アルバイトが多く、雇用調整助成金、失業手当の対象外のケースが多い。この雇用保険未加入者への対策が急務で、これが損なわれると、一層の消費減と景気の落ち込みを誘発するであろう。

 

2.米国マーケット

  • CMBSの新規組成が皆無。マーケットから壊滅した"out of market, completely"
  • Debt Fundからの調達も厳しい。残るはBankかInsurance Company。足許の注目は如何に近々でリファイナンスが無いか、あっても少額か、ということ。
  • 後述するが、特定のクラスのアセットにおいてはレンダーが極めてNagativeにみている。Debtが付かない。その他のアセットでもLoan Spr.はWideningしていると。
  • Dealはストップしている。機関投資家が凍結状態にあること、DDも物理的に出来ないため。
  • ホテル、商業は厳冬。その他、シニアリビング、Student house(大学生向けレジ)、hospitality、Storage(個人向け倉庫)が厳しい。
  • ホテルについては需要が蒸発。商業施設もGroceryやDrug Storeは未だしも、商業モール、高級店、エンタメ(映画等)、ジムはHardest、extremely severeと。また飲食店、美容関連も厳しい。飲食店は営業していてもUber Eatsのようなデリバリー向けで営業時間は短縮。Social Distanceが強くマイナス作用している。
  • 百貨店については相当厳しい。Neiman Marcusの破産申請の検討話も違和感無い。https://toyokeizai.net/articles/-/339384
  • アセットとして安定的なのは「賃貸レジデンス」と「物流施設」であろう。
  • ただ、物流施設でも足許は物流網がマヒしている状態。新規テナントのリーシングは厳しい状態である(とは言え中長期的にeコマース含め有望。今回の一件でその傾向は顕著になるであろう。冷蔵倉庫も有望視していると)。
  • レジデンスについては所謂Luxuary、高級レジとLow-class(低所得者向け)が苦戦するであろう。というのも、ハイエンドであれば、法人借上げがコスト削減やレイオフで解約が進むこと。Low-classについては低所得者が失業し、賃料滞納リスクがあること。両方ともCash Flowに影響が出てくる。
  • オフィスは足許政府の命令が無い限りは開けているが、共用部分はclosedしていて、物件自体にも入館証が無いと入れないようにしてある。
  • 共用部分での清掃・消毒は念入りにするようにPMに指示されている。
  • リモートワークの浸透が強くなっている。これによりデータセンターアセットの需要が高まるのでないか。Amazonクラウドの事業もやっている。eコマースの恩恵もさることながら、こちらの恩恵も受ける可能性がある。

 

以上。恐らく、今週の株価の上げは一瞬となる可能性が高いと感じられたし、「すごく気持ち悪い」とツイッターで表現したのはそのせいです。実際、欧米のコロナ問題は収束の目算が見えたとはとてもいえず、寧ろ問題拡大していることからも。

 

安全運転が引き続き必要でしょう。が、これによって更に消費が消極的になったら問題なんだよな、不味いですね。。。