みんなだいすき、「たわまん」の話

関西の2つのエリアで見られるタワマンの話

 

野暮用で関西に行っていました。

仕事で(真顔)。決して、お好み焼き食べたり、ホルモン焼き食べたり、イカ焼き(阪神百貨店のアレ)、もっこすラーメンたべたり、551肉まん食べるためじゃない。

 

しごと、はい。しごと。

 

みんな「話題のネタに」大好きなタワマン。

 

個人的には分譲マンションは関係ないのと、レジアセットは足許少ないから係り合いが限られているけど、取り敢えず、不動産に少しでも関わる物としては、興味は当然ある訳で。面白い話を聞き、街を歩き回って考えた事、いつも通り、限界Blogにつらつら書きます。

 

神戸の都心、即ち三宮(三宮が都心じゃない過激派の皆さんは黙っててくださいね、取り敢えず)では、「タワマン」がガシガシ建っているそうで、確かに今日、三宮の街を徘徊していても、いっぱいありました。磯辺通りに近い、エリアだと、オフィスと合体したタワマンや神社(小野八幡神社)の敷地を使ったマンション(ザ・パークハウス神戸三宮)が建築中でした。神社の敷地物件って、東京だと虎ノ門琴平タワーが有名ですが。

 

一方で、神戸市に置いては「都心タワマン」への風当たりも強まっている様で、条例で一部エリアはそもそもレジ自体を新規建築は出来ないようにする流れになっています。

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201906/0012415103.shtml

 

曰く、「大阪のベットタウンにしたくない」「ショッピングやグルメ、アートシーンを楽しめる街にしたい」とのことです。賛否両論あるでしょうが。

 

 

さて、一方、私は大阪の本町辺りも徘徊していました。

 

大阪の本町ってどういうエリアか、というと、大阪の人はご存じだと思いますが、繊維関連の企業や問屋さんが事務所を構えている(いた)エリアです。著名な所だと、昔は丸紅の本社がありました。今の堺筋本町に近いメットライフ本町スクエアですね。

 

さて、大阪は繊維の町でした。伊藤忠なんかも昔は大阪発祥で繊維でしたし、双日の母体の一つ、ニチメンもそうです。しかし、ご存じの通り、繊維業界はもう既に斜陽になって久しく、本町のオフィス街は、梅田に比べるとあまりぱっとしない、というのが正直な所でしょう。本町ガーデンや本町南ガーデンなんかが新しく大規模なオフィスとしてありますが、例外的。

 

そんな本町ですが、最近はタワマンが結構建っている様子で。Branzの物件も然り、足許だと、元々出身が大阪の伊藤忠もクレヴィアタワーを建てました。

 

さて、大阪の住宅として「ええとこ」の立地は大体北側の千里中央だったり、豊中だったり。南は例外的に帝塚山がありますが、都心に果たして人が来るのか?東京と同じ事が起こるのか、と思っていましたが、同も複数物件が供給されている所をみるとニーズはありそうです。

 

さて、当方は本町徘徊の目的の一つであった、あるメンズのお洋服ショップに立ち寄って旧知のお店の人と話していると、その人も「最初本町って、店として売上建つのかな、って思っていましたけど、意外とタワマンの人が買ってくれて。で、結構裕福な人も多くて、北新地にも歩ける距離だから、なんて言ってるおっちゃんもいましたわ。」と笑って言っていました。でも、スーパーあるの?と聞くと、どうもライフのそこそこちゃんとした店があるようで、何と無く最近出店した芝浦と似ているから、そういう戦略なのかしらん。

 

大阪の本町の例では、企業が撤退して築古となったオフィスビルが分譲マンションにコンバージョンした結果、新たな商業施設(スーパー、衣料品店)のニーズが出てきている、という興味深い現象が起きています。

 

 

さて、翻って神戸三宮ですが。

 

確かに、三ノ宮駅近くで交通の便もよく、東遊園地にも近い(借景にもなる)、旧居留地のブランドショップにも近く、となると、タワーにするかどうかは別として分譲マンションのニーズはかなり強いと思います。

 

一方、商業や、ましてやオフィスの需要はどうでしょうか。

 

神戸のオフィス需要は多分そこまで強くないでしょう。企業がこれだけ働き方改革、天金制度の再考が求められている中で、会社の拠点を分散しておくニーズは少なく、また近畿地方のハブとしてはやはり大阪の梅田やその周辺(中之島淀屋橋など)に限定されやすく、仮にオフィスを新規で供給してもニーズが限られるのであれば、賃料を相当安くしないとPJとしてペイしません。それを民間業者がやるでしょうか?。

 

商業施設も同様に、商圏が東側に広がらない(梅田がある)、人口がこれから増える見込みはそんなに無い、そのエリアの所得が伸びる訳ではない、といった場合、ここにこれ以上商業施設を建てても、ガラ空きの「都心版ピエリ守山」を爆誕させるだけでしょう。

 

そう考えると、確かに、豊洲(或いは芝浦、勝どき)で起こっている、住人が急増した結果、学校等インフラが追い付いていない問題は注意が必要ですが、保育所、病院等の公共の施設を誘致する様にしつつ、分譲レジを作った方が結果的に近隣のセンター街や旧居留地の既存商業店舗、駅前のそごう等百貨店にもプラスになる気がします。

 

いずれにしても、どうして都心に住みたがるのか、ということをデベの利益中心主義だ、とか、特にタワマンの場合は、虚栄心だ、という指摘もあるのですが、やはり基本的には「利便性が高いから」であり、利便性の高いエリアに集まってくる人をどうManagementするか、が行政の手腕の見せどころであり、単にレジ規制を引くだけでは長期的な街の発展にはつながらない気はしています。

 

 

あ、あと神戸にも日本リートの物件、三宮センタービルがあるよ。

ダンカンの三ノ宮店で作ったスーツを着て記念撮影の後は小野八幡神社でおみくじ!

これが通の三ノ宮観光だよ!(ちがう